子どものグズグズに困っている…
外では出来ているのに家で甘えるのはなんで?
とてもすばらしい本に出会いました。
臨床心理士である大河原美以さん著書の『ちゃんと泣ける子に育てよう|親には子どもの感情を育てる義務がある』です。
はむ
イヤイヤをうまく乗り越える「対策」を探していたわたしにとって、目からウロコが落ちる内容でした。
結論から言うと、対策などはなくて子どもととことん向き合うしかないのだとわかりました。
こんな人におススメ
- 子どものグズグズやイヤイヤに悩んでいる
- 子どもの泣き声を聴くと心がざわつく
- 子どもの心に寄り添った子育てをしたい
- 子どもには感情をコントロールできるようになってほしい
- 子どもの不登校に悩んでいる
「子どもの感情を育てる」と言われてもピンとこない方はぜひ読んでみてください。
わたしがぼんやりと子育てで大切だと思ってやってきたことが、ハッキリと言語化されていました。
それと同時に、「やっている」と思ってできていなかったことにも気づき、危機感も覚えました。
これからの指針にしたい、手元に置いておきたい、とってもすばらしい本です。
はむ
子どもの保育や教育にかかわるすべての保護者に読んでもらいたいです!
タップできる目次
『ちゃんと泣ける子に育てよう』の感想と内容
『ちゃんと泣ける子に育てよう|親には子どもの感情を育てる義務がある』を読んだ感想をつづります。
この書籍のメインテーマは『子どもが安全にネガティブな感情を感じられるようにしてあげよう』というものです。
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子育ての理想と現実のギャップ
いい子に育ってほしい。
優しい子になってほしい。
我慢強くなってほしい。
親は子どもを愛するがゆえに、このように願うことが多いです。
子どもは「イライラする」「ダメだと言われても自分の欲求を通したい」「悲しい」といった気持ちを癇癪などで必死に大人に表現してくれます。
ですが、大人はそれに「我慢しなさい!」「泣くんじゃない!」などと声をかけてしまいがちです。
すると子どもは自分のネガティブな感情がなんなのかがわからないまま放置されてしまいます。
そのため自分で感情をコントロールする方法を学べません。
はむ
結果、大人になっても自分で怒りや悲しみを抑えることができず、急にキレたり人を攻撃したりといった方法で発散するようになってしまいます。
- 理想⇒子どもにはいい子になってほしいと願う
- 現実⇒そう願うほど、子どもが感情をコントロールできない大人に育つ
大河原美以さんは、こういった子育ての理想と現実に注意喚起しています。
子どもがおしっこをしたいときに「がまんしなさい」と言ったらどうなるでしょうか?
病気になってしまいますよね。
子どもが涙を流しているときに「泣くんじゃない」と言ったらどうなるでしょうか?
それと同じなのです。
はむ
感情の社会化とは?ネガティブな感情を受け止めよう!
大人ができることは、子どものネガティブな感情を受け止めてあげることです。
そして、「そうだよね。〇〇したかったのにできなくて悔しかったんだよね」と感情を言語化して伝えてあげるということです。
これを、感情の社会化というそうです。
「不安だったね」「悲しかったね」「怒ったんだよね」と、声をかけてあげることで子どもの感情は育ちます。
今感じている気持ちが言語化されることで子どもは共感を得られたと安心します。
安全な場所でネガティブな感情をたくさん経験した子どもは、感情を自分でコントロールできる大人になります。
はむ
人は、安全だと感じた場所でしか自分のネガティブな感情をさらけ出すことができません。
この本を読んで、娘がわたしの前でたくさん泣いてワガママを言ってくれるのは、信頼関係ができているからなのだなととても安心することができました。
保育園でできていることが家ではできないのはどうして?
と思っていたのですが、わたしの前では素を出してくれているのだとわかると娘がますます愛おしくなりました。
子どもの「心の安全基地」でありたい
はむ
大河原美以さんの著書を読んで、わたしが目指したかったお母さん像がハッキリわかりました。
それは、「子どもの心の安全基地でいられるお母さん」です。
我が家の2歳の娘は保育園に通っています。子どもはたくさんのことを外で経験してきます。
中にはうまくいかないことも、悲しいことも、「今日はもうイヤ!」となることも、きっとあります。
子どもの外での経験は親がコントロールできません。
でも、ありのままの自分を受け止めてあげられる場所を作ることはできます。
そんな場所が娘にとってわたしであればいいな、と心の底から感じました。
はむ
『ちゃんと泣ける子に育てよう』はこんな人に読んでほしい
実は、わたしは最初「まぁ、こんなことが書いてるだろうと思ったわ〜。感情を受け止めるね。わかってるよ~」と思って読んでました。(恥)
しかしこの本は読み進めるにつれてどんどん話が深くなっていって、傷ついた感情を治癒する脳の情報修正プログラムについてまで書かれています。
とても興味深く、傷ついた子どもが取る行動の心理と大人の対応方法がとてもわかりやすく書かれています。
著者の大河原美以さんは、「子育てはいつでもやり直しがきく。それくらい親子の絆は強い」とおっしゃっています。
母親はこうするべき系の本ではないので、読んでいてとても安心感があります。
こんな人に読んでほしい
- これから感情を育てるステージに入る乳幼児期のお母さん
- 現在お子さんの不登校などで悩む大きい子のお母さん
- 学級の問題で悩む学校の先生
おおくの保育や教育にかかわる方が励まされるのではないかと思います。
『ちゃんと泣ける子に育てよう』に興味のある人におススメの本
『ちゃんと泣ける子に育てよう|親には子どもの感情を育てる義務がある』に興味のある方におすすめの本をまとめました。
子どもの「いや」に困ったときに読む本
同じ著者、大河原美以さんの本で、2歳児のイヤイヤ期に特化した内容です。
子どものネガティブな感情を受け止めるということはもちろん、もっと「しつけの方法」部分にフォーカスされた本です。
お母さんの相談に答える形で読み進められるので、とっても読みやすいです。
近年はママたちを楽にしてあげたいという思いから、「よい母になろうとしなくていい。気楽にやればいい。子どもの育ちは親の責任じゃない。社会全体で子どもを育てるべきなのに、そうじゃない日本が悪い。だからそんなに思いつめなくていいんだよ」といった方向性の励ましが多いように思います。
でも、この本はそうではありません。
冒頭1ページ目でこんなことが書かれています。
はむ
イヤイヤ期に直面するさまざまなシチュエーションへの対応方法が載っているので、2歳児ママにはありがたい本です。
子どもの感情を大切にしながら、しつけもしっかりしたい!
という方には具体例がたくさん載っていてとても参考になります。
子どもの心のコーチング
コーチングのプロである菅原裕子さんの子育て本です。
こちらの本もとても優しい口調で書かれていて、子育てに悩むお母さんに寄り添った本です。
- ヘルプではなくサポート
- 子どもに伝える愛と責任
- 心を結ぶ聴き方・伝え方
自律した子を育てるためにはどうしたらいいか、子どもとの向き合い方がコーチング技術を取り入れて書かれています。
著者の子育て失敗談や具体的な会話方法が載っていて、親しみやすく、とても参考になります。
菅原裕子さんも子どもの感情に向き合うことをとても重要視しています。
はむ
『ちゃんと泣ける子に育てよう』感想まとめ
大河原美以さんの『ちゃんと泣ける子に育てよう』は、本当に出会って良かった本です。
わたしは心のどこかでイヤイヤ期の娘をどうにかコントロールする術はないかと考えていたのだと思います。
ですが、結局は2歳児ととことん向き合うしかないのだと気づきました。
そして、自分の前でネガティブな感情を表現してくれる娘をよりいっそう愛しく思えるようになりました。
この書籍では、この記事で触れた内容のほかにもこういった内容が載っています。
- 子どもの泣き声にイライラする親の心理
- 不登校への対応方法
- いじめる子の心理
学校の先生などの教育者や小中高生のお母さんにも参考になるように書かれています。
すべて「感情をコントロールできないこと」が問題であり、それをどう解消すればいいのかが見えてきます。
すべての保護者に読んでもらいたい本です。
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